「私は、多摩美術大学の寮での生活が、素晴らしい経験となりました。デザイン科や建築科など他の学部の方々と交流できたことや、同じ寮生である7歳年上の彫刻科の友人との深い絆など、人生を豊かにする出会いに恵まれました。ある日、尊敬する本郷先生の講演に招待され、そこで聞いた運命的な言葉が、私が画家になる決意を固めるきっかけとなりました。『一日描かなければ一日飢える』。これは、私たち美術大学の生徒にとって、描くことがどれほど重要かを教えてくれる言葉です。休むと絵が自分から離れていくことを知り、絵から離れてしまう生徒が多い中、私はこの言葉を胸に刻み、一日たりとも休まず筆を取り続けました。絵をやめることは簡単ですが、その後の取り返しのつかない後悔を残します。私は、本郷先生から聞いたこの言葉が、私の画家としての人生を決定づける大切な言葉となりました。」
原雅幸 Jun 2011